映画レビュー 999

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『ダライ・ラマ14世』 わたしは普通の人間です

わたしは普通の人間です

 

あらすじ:観音菩薩の生まれ変わりとされる僧侶。ノーベル平和賞受賞者。神々しい肩書とともに、これだけ世界中で顔を知られている人は他にはいない。しかし、私たちは本当にこの人を知っているのだろうか。2歳にしてダライ・ラマ13世の転生者と認定され、ダライ・ラマ14世となったひとりの少年は、今では多くの人から尊敬され、一方では唾棄する人もいる、この世界において重要な存在となった。本作ではその人に東京の街頭で質問を募った。質問者にまっすぐに向き合い、真剣にユーモアたっぷりに答える姿から、ダライ・ラマ14世の素顔が見えてきた。

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技術的なことには一家言あるがドキュメンタリー映画なので言及しない。

今回は個人的な事を書きたいと思う。もう、このブログを書かなくなってからしばらく経つのだが書きたいから書くので一般的な映画評ではなく個人的な駄文になることをご了承頂きたい。

わたしはダライ・ラマのファンなのである。遡ること10数年前、この映画にも出てきたダラムサラに1週間程度滞在したことがあるのだ、その時にダライ・ラマと200人以上の僧侶が一斉にお経を唱える行事があり、それを見に行き、ダライ・ラマの姿を見て一気にファンになったのだ。

その時のダライ・ラマもこの映画に出てきた通り、気軽に一般人に話しかけ握手をして抱き合って言葉を交わす。わたしもここぞとばかり、ラマさんの体に触った。

生き神様、仏陀の生まれ変わりとも言われ、チベットの最高権力者で宗教的にもトップの人がこんなに気軽でフレンドリーでいいのかと驚きファンになった。

 

あの当時のことを思い出すと、バラナシでは朝日と共に起きて汚いガンジス川でパン1で沐浴して、ゲストハウスに帰って寝たり起きたり、昼間の暑さをなんとかやり過ごして、夕方になると、誰ともなく行きますか、なんて声を掛け合ってバングーラッシーを飲みに行く、ゲストハウスから歩いて5分くらいにある、その輪郭がハッキリしないバングーラッシー屋で、1杯飲んで帰ってくる。急いで帰らないとゲストハウスに着く前に回ってしまうので、帰りは少し早足。

ゲストハウスに戻ってしばらくすると、ぐーらぐら。しばらくすると、停電の時間だ。

停電になると電気が使えないのでみんな屋上に上がってくる。空を見ながら、近くの人と話したり話さなかったり、その内車座に座って回しだす。停電が終わってもすぐには室内に戻ることはなく、眠くなった人はぽつぽつと帰りだす。

そんなどうしようもなく最高な日々をしばらく続けていたらさすがに飽きてきて、旅立つことを決めて、ブッダガヤへ向かった。

ブッダガヤで仏陀が悟りを開いたと言われる菩提寺の下に座って1日を過ごし、のんびり日々が過ぎていき、帰国までしばらくあるが取り敢えずデリーに戻ってみた。

デリーで泊まっていた宿でバラナシで仲良くなった友達と再会、2人でだらだらしていると、チベット大好きおばちゃん登場そしてそのおばちゃんがダラムサラ行きを提案してくれた。

その出会いでダラムサラ行きが決まりダライ・ラマを生で見ることが出来た。

 

そんな運命的(と言うと言い過ぎかもしれないが)偶然が続いてダライ・ラマまでつながって、ラマさんの気さくで人間くさい雰囲気にふれて大ファンになってしまったのだ。

 

ファンなので映画も見に行く。

上映中、入り口付近で大きい音が響いた。扉を開いて光を入れるとおばさんが倒れている。様子を見ると取り敢えず大丈夫そうだったので入り口付近の席に座らせて続きを見ることに。

帰り道、数人の人だかりに痙攣した足が見える。それはただ事ではない感じ、救急車を呼ぶ工事現場の数人。自転車を傍らに置き声を掛ける倒れている人の知り合いと思われるおじさん。

立ち止まり様子を伺って手助けしようとしたがとりあえす、救急車が来るまで出来ることはなさそうだったので後にした。

あの人は大丈夫だっただろうか、痙攣が続いていて早く救急車が来ないと危ない状態だったと思う。

 

数時間の間に倒れる人を2人も見てしまって心臓が早鐘を打っている。

 

暗い部屋で小さい画面に向かってキーボードを叩く自分が恐ろしくなるほど狭い世界に生きている事が情けなくなってくる。自分は一体なにをやっているのだろう。

広い世界を見ないとダメだ。人の役に立つ人間にならないとダメだと心に強く思う1日だった。

 

生きることは諦める事、全ては偶然で出来ている空の考え(勉強不足かもしれない)と映画でも出てきた。

生きることは運命づけられている輪廻の考え(勉強不足かもしれない)がダライ・ラマをして、拮抗しており、ダライ・ラマ本人は普通の人間です。と輪廻を否定しつつも、輪廻の教えを苦しむ人達へ解いて行く。

宗教を超えて、生きることの矛盾をわかりやすい言葉で解いていくダライ・ラマの姿は心を打つものが有り、さらに好きになってしまった。

仏教を通じてダライ・ラマの望む良い世の中が早くやってくることを期待しています。

 

 

ダライ・ラマ自伝 (文春文庫)

ダライ・ラマ自伝 (文春文庫)