映画レビュー 999

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『アデルブルーは熱い色』永遠には続かない長い春

永遠には続かない長い春

 

あらすじ:2013年・第66回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。デートへ向かう途中、街中ですれ違った青い髪の女性エマ(レア・セドゥ)に周囲の人とは違う何かを感じる女子高生のアデル(アデル・エグザルコプロス)。その後、バーでエマと再会。アデルは彼女に惹かれていく。やがて二人は激しく愛しあうよになってる。7年後、教師になったアデルはエマと一緒に暮らしていた。エマはアデルをモデルに絵を描きアデルは幸せをかみしめていたが、エマの作品披露パーティが催された頃からエマの態度が以前と変わったように思い始める。

 

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食べる、寝る、性行為、人生はこれの繰り返しでそれを仔細に描くことでその人が見えてくる。

冒頭ゆるめの画角の扉から始まる嫌な予感、扉から出てくるアデルにつけてパーン、バスに乗り込む。映画の素晴らしさは冒頭で決まる。と思っている私はこのカットで

この映画に嫌な予感を感じてしまった。

が嫌な予感ははずれ、そのカット以降はこれでもかって程のクローズアップの連続。映像のクオリティ=作品のクオリティではなくもしから、些細なことなのかもしれないと思うほどだ。

 

思い出すのは去年見たグザヴィエ・ドラン「わたしはロランス」恋人が居る男性が女性になりたいと告白してからの恋人との愛の築き方に関する映画で、ジェンダーに関する話でありながらも男女関係なく純粋に愛に関する映画だった。長い年月を描いている点。主人公の職業が教師という共通点もある。「わたしはロランス」はややファンタジーとも取れる跳躍があり、「アデルブルーは熱い色」は現実に肉薄している。

 

女子高生の時に起きる愛に関する迷いに関する話しだと思いきや、クローズアップ、じっくりとした人間描写によって、それは純粋に愛に関する話しと気づく、愛とはもしかしたら

男女関係なく落ちるものなのかもしれないと思わせることに成功している。話しは7年後になり、二人の愛は消えていく、最後エマと別れたアデルはパーティで出会った男と恋の予感を感じさせる。

アデルのエマに感じた愛は永遠には続かない長い春だったのかもしれない。

 

この作品を撮ったのは「アブデラティフ・ケシシュ」アフリカ系フランス人で他の作品は未見なのでこれから特集上映が組まれることを願いたい。

 

アデル、ブルーは熱い色 [DVD]

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